一人暮らし高齢者の「不安」を「安心」に変える!見守りサービスと任意後見契約の賢い活用術
伊丹市周辺(伊丹・尼崎・西宮・宝塚・川西・豊中など)にお住まいの皆様、行政書士・社会福祉士として、地域で皆様の暮らしを支援しております、ことのは行政書・社会福祉士事務所です。
近年、高齢化が進み、一人暮らしの高齢者が増える中で、「もしも」の時にどうなるのだろう、という不安を抱える方が少なくありません。住み慣れた地域で安心して暮らすためには、福祉と法務の両面からの備えが不可欠だと私は考えております。
このブログ記事では、一人暮らしの高齢者の方が直面する様々な課題に対し、「見守りサービス」と「任意後見契約」がいかに有効な解決策となるか、そしてその賢い活用方法について、専門家の視点から分かりやすく解説します。
なぜ一人暮らしの高齢者に備えが必要なのか?
一人暮らしの高齢者が増える一方で、そこには様々な「困りごと」が潜んでいます。
- 食事・買い物の難しさ
⇒身体機能や認知機能の低下から、食生活が乱れ、栄養不足に陥るリスクがあります。 - 転倒や病気など健康上のリスク
⇒転倒による骨折や急病の際に、発見が遅れてしまうことがあります。最悪の場合、孤独死に至るケースもあります。 - 孤独感・うつ・認知症リスク
⇒社会との繋がりが希薄になることで、孤独感から精神的に不安定になったり、認知症の進行が早まったりする可能性があります。 - 金銭管理のトラブル・詐欺被害
⇒判断能力の低下や身体機能の低下により、預貯金の管理が難しくなったり、悪質な訪問販売や詐欺のターゲットにされやすくなったりします。 - 緊急時の対応困難
⇒急な体調不良や災害時など、いざという時に助けを呼べず、適切な対応が遅れる危険性があります。
これらの問題は、ご本人だけでなく、遠方に住んでいたり仕事などで忙しい家族にとっても大きな心配事となるでしょう。ご家族の皆様もそれぞれの生活があります。一人暮らしの親や兄弟姉妹などの支援をしたくても思うように出来ないのは仕方が無いことです。だからこそ、元気なうちから対策を講じることが非常に重要なのです。
心強い味方!「見守りサービス」の活用

「見守りサービス」は、一人暮らしの高齢者の安全と安心を確保するための重要なサービスです。直接的な介護ではなく、さりげなく安否確認を行う仕組みが中心となります。
1. 見守りサービスの具体例
見守りサービスには、民間企業が提供するものから、自治体が提供するものまで、様々な種類があります。
- 【民間サービス】
郵便局や警備会社など様々な法人がサービスを提供しております
◦ センサー型: 一定時間動きが感知されない場合に家族などに通知が届きます。
◦ ボタン型・ペンダント型: 緊急時にボタンを押すだけで通知が行くサービスです。
- 【自治体サービス】
◦ 安否確認、家事・買い物の代行、認知症カフェやサロン活動の支援など、地域に根差した多様なサービスが提供されています。
※サービス内容は自治体によって異なります。多種多様な支援が行われておりますので、お住まいの自治体ではどのようなサービスがあるのか、市区町村役場や地域包括支援センターなどにお問い合わせください。
2. 見守りサービスのメリット
見守りサービスを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 早期発見・早期対応
事故や体調の異変にいち早く気づき、対応することができます。 - 孤独感の軽減
定期的なコミュニケーションを通じて、社会的な孤立を防ぎ、精神的な安定に繋がります。 - ご家族の安心
遠方に住むご家族も、親御様の安全が確認できることで、心理的な負担が軽減されます。見守りサービスは、高齢者の自立した生活を支援し、いざという時のセーフティネットとなる、まさに「福祉」と「暮らし」の接点にあるサービスと言えるでしょう。
将来の不安を解消する「任意後見契約」
次に考えるべき備えとしては、認知症などで判断能力が低下した時のことです。預金の引き出しや不動産の売却、介護サービスの契約といった法的な手続きができなくなってしまう恐れがあります。そこで重要となるのが、「任意後見契約」です。
1. 任意後見契約とは?
任意後見契約とは、ご本人が元気なうちに、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備え、ご自身が信頼できる人(任意後見人)を選んで、財産管理や介護・医療に関する契約などの事務手続きを依頼する契約です。この契約は公正証書で作成する必要があります。
ご自身が信頼できる人(親族・友人・専門職など)を、自分で選んでおくというのがポイントです。
2. なぜ任意後見契約が必要なのか?
成年後見制度には、この「任意後見制度」の他に「法定後見制度」というものもありますが、これにはいくつかの課題があります。
- 後見人を自分で選べない
法定後見では、家庭裁判所が後見人を選任するため、必ずしも希望する人が選ばれるとは限りません。社会福祉士や司法書士・弁護士などの専門職が選任される可能性も高く、その場合、ご本人のことをよく知らない第三者が財産を管理することになります。 - 柔軟な財産管理が難しい
法定後見人は本人の財産を「保全」することが主な目的であるため、投機的な運用や相続税対策としての生前贈与などは原則として認められません。 - 本人の意思が反映されにくい
法定後見では、ご本人の希望する生活環境や介護・医療の方針が十分に反映されないことがあります。
これに対し、任意後見契約には次のようなメリットがあります。
【任意後見制度のメリット】
- ご自身で後見人を選べる
信頼できる家族や友人、あるいは専門家を事前に指定できます。 - 本人の意思を反映できる
契約時に、どのような施設に入所したいか、どのような介護を受けたいかなど、具体的な希望を定めておくことができます。これにより、ご自身の希望に沿った老後の暮らしを実現しやすくなります。 - 資産凍結を防ぐ
認知症などによる判断能力の低下で預金が引き出せなくなったり、不動産が売却できなくなったりする「資産凍結」のリスクを回避できます。 - 監督体制による安心
任意後見契約が発動する際には、家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、任意後見人の職務を監督します。これにより、財産の使い込みなどの不正を未然に防ぎ、ご本人の財産が適切に管理されます。
これにより、「たとえ身内でもお金の管理を任せるのは不安…」という方でも大きな安心材料になるのではないでしょうか?
3. 任意後見契約と合わせて検討したい契約
任意後見契約だけではカバーできない期間や事柄があるため、以下のような契約と併用することで、より万全な備えが可能です。
- 【財産管理委任契約】
任意後見契約の効力発生は、ご本人の判断能力が低下し、任意後見監督人が選任された後です。そのため、判断能力があるうちに、身体的な不調などで日々の財産管理が難しくなった場合に備え、財産管理の代理権を付与する契約です。任意後見契約と合わせて「移行型任意後見契約」として締結されることが一般的です。 - 【見守り契約】
任意後見契約を締結しても、適切なタイミングで任意後見監督人の選任申立てが行われなければ、任意後見は開始しません。見守り契約は、任意後見人となる予定の人が定期的にご本人の状況を確認し、申立ての適切な時期を判断するために役立ちます。 - 【死後事務委任契約】
任意後見契約はご本人が亡くなると効力を失います。そのため、葬儀、埋葬、遺品整理、医療費や施設費の精算、各種行政手続きなど、ご本人の死後に発生する事務を依頼するための契約です。相続手続き以外の様々な手続きを行うことが出来ます。
過去記事:「死後事務委任契約」で叶える安心の終活 - 【遺言書】
遺産を誰にどのように分配するかを明確にするためのものです。死後事務委任契約が「事務手続き」を委託するのに対し、遺言は「遺産の分配」を指定する点で異なります。遺言書を作成することで、相続人間のトラブルを回避し、ご自身の財産を希望通りに承継させることができます。
過去記事:遺言書完全ガイド|伊丹・尼崎・宝塚・西宮・川西
これらの契約を組み合わせることで、ご本人の生前から死後まで、一貫したサポート体制を築くことが可能となり、まさに「福祉」と「法務」が連携した包括的な安心を得ることができます。
介護施設入居と身元保証の現状

高齢になってからの生活の選択肢として、介護施設への入居を検討する方も多いでしょう。しかし、介護施設のほとんど(約9割)は、入居時に身元保証人の提出を求めています。
1. 身元保証人の役割
身元保証人は、主に以下の役割を担います。
- 緊急連絡先・身柄の引き受け
緊急時の連絡や、ご本人が亡くなった際の遺体の引き取りなど。 - 入居費用等の支払い保証
施設利用料の支払いが滞った際の連帯保証。 - 入院・退院、施設退去等の手続き代行
医療機関や施設との煩雑な手続きを代行。
2. 任意後見人と身元保証人
任意後見人は、ご本人の財産を「守る」立場にあります。そのため、身元保証人が負う「支払い保証」の責任は、利益相反となる可能性があり、原則として任意後見人が身元保証人となることは避けられています。
3. 身元保証会社という選択肢
もし身元保証人になってくれる親族がいない、あるいは頼みづらい場合は、民間の身元保証会社を利用するという選択肢があります。 ただし、身元保証事業には法規制が十分に整備されておらず、悪質な業者によるトラブルも報告されています。
- 悪徳業者の特徴
詳細な説明がない、異常に高額な利用料金、預託金の管理方法が不明確、遺贈寄付を前提としている、などが挙げられます。
※亡くなった後は身元保証会社に寄付させるという前提で契約を結ぼうとする業者もいます。 - 選ぶ際の注意点
運営母体、預託金の管理方法(信託口座での管理など)、料金体系とサービス内容の明確さなどを慎重に確認することが重要です。
身元保証会社を選ぶ際には、複数の会社を比較検討することをお勧めします。
※成年後見制度(任意後見制度・法定後見制度)を利用していれば、身元保証人がいなくても入所できる施設はあります。ですので、費用面も考えると、まずはご希望される施設がどうなのか問い合わせてから、必要に応じて身元保証会社を見当するという形でも良いのではないかと私は思います。
伊丹市周辺の皆様へ:専門家へのご相談をお勧めします
一人暮らしの高齢者の「安心」を築くためには、様々な制度やサービスを組み合わせる必要があります。しかし、これらの制度は複雑であり、ご自身の状況に合わせて最適なものを選択し、手続きを進めるのは容易ではありません。
伊丹市周辺(伊丹・尼崎・西宮・宝塚・川西)にお住まいの皆様にとって、身近な相談窓口となるのが、地域包括支援センターと社会福祉協議会です。これらの機関は、高齢者の健康や福祉、介護に関する総合的な相談を受け付け、必要な情報提供や支援体制づくりをサポートしてくれます。
しかし、法的な手続きや、ご本人の意思を最大限に尊重した計画を策定する際には、専門的な知識と経験を持つ行政書士や社会福祉士などの専門家が大きな力となります。当事務所は、福祉の現場での経験と、法律の専門知識を活かし、皆様の多様なニーズに応じたきめ細やかなサポートを提供できます。
- 現状のヒアリング
ご本人の生活状況、経済状況、希望などを丁寧に伺います。 - 最適なプランニング
介護保険サービス、障害福祉サービス、インフォーマルサービス、任意後見契約、財産管理委任契約、死後事務委任契約、遺言書など、様々な制度の中から、ご本人にとって最適な組み合わせを提案します。 - 手続きのサポート
公正証書の作成支援、行政手続きの支援、各種機関との連携など、複雑な手続きを代行し、負担を軽減します。
「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、少しでも不安を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。当事務所が、あなたの「不安」を「安心」に変えるお手伝いをいたします。



