相続を「争族」にしないために!遺言書の作成が家族を救う理由 | 伊丹・尼崎・西宮・宝塚・川西の相続相談
相続は、誰にとっても避けて通れない大切な手続きです。しかし、時に大切なご家族が「争族」という悲しい状況に陥ってしまうことも少なくありません。ご自身の生涯をかけて築き、守ってきた財産を、ご自身の想い通りに、そして円満に引き継ぐために、遺言書の作成は非常に重要な役割を果たします。
伊丹市周辺(伊丹、尼崎、西宮、宝塚、川西)にお住まいの皆様が、安心して未来を迎えられるよう、行政書士である私が、遺産分割協議のこと、遺言書の重要性についてご説明します。
遺産分割協議書とは?遺言書がない場合の相続手続きの入り口

故人が遺言書を残さずに亡くなった場合、残されたご家族は、まず故人の財産をどのように分けるかを話し合うことになります。この話し合いを「遺産分割協議」と呼び、その結果を文書にまとめたものが「遺産分割協議書」です。
遺産分割協議書は、不動産の名義変更や預貯金の解約など、その後のすべての相続手続きに必要となる重要な書類です。相続人全員が合意し、署名・押印することで、その効力が生じます。
遺言がない場合の相続手続きの簡単な流れ

遺言書がない場合の相続手続きは、一般的に以下のステップで進みます。
1. 相続人の確定(戸籍の調査)
まず、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を収集し、誰が相続人であるかを確定します。複雑な家族関係がある場合には、この作業は非常に手間と時間がかかり、思わぬ相続人(認知した子など)が見つかることも少なくありません。
2. 相続財産の調査
預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含め、故人のすべての財産を調査し、目録を作成します。故人がどこにどのような財産を持っていたか、ご家族が全て把握しているとは限らず、調査が難航することもあります。
3. 遺産分割協議
確定した相続人全員が参加し、故人の財産をどのように分割するかを話し合います。相続人全員の合意がなければ、この協議は成立しません。たった一人でも反対する相続人がいれば、話し合いはまとまらず、家庭裁判所の調停や審判に発展する可能性もあります。
この話し合いをまとめたものが「遺産分割協議書」です。
4. 名義変更や解約などの手続き
遺産分割協議がまとまれば、その内容に基づいて、不動産の相続登記や預貯金の解約・払い戻しなど、具体的な名義変更手続きを行います。
この一連の流れは、相続人の人数が多い、関係性が希薄、または感情的な対立がある場合などには、何ヶ月、何年もの期間を要し、ご家族の間に深刻な亀裂を生じさせる「争族」へと発展してしまうリスクを常に抱えています。
なぜ遺言書が必要なのか?その重要性

遺言書は、ご自身の生涯をかけて築き、守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうための「最後の意思表示」です。また、大切なご家族への「最後のメッセージ」でもあります。遺言書を作成することで、多くの相続トラブルを未然に防ぎ、残されたご家族の負担を大きく軽減することができます。
相続争いの防止
「うちは仲が良いから大丈夫」と思われるご家族でも、いざ相続となると、意見の食い違いや感情的な対立から「争族」に発展してしまうケースは少なくありません。遺言書があれば、ご自身が財産の帰属を明確に決めることができ、相続をめぐる争いを防ぐ大きな効果が期待できます。特に以下のようなケースでは、遺言書作成の必要性が非常に高いと言えます。
- お子さんがいないご夫婦
配偶者と故人の兄弟姉妹(または父母)が相続人となるため、夫婦で築いた財産を義理の親族と分割協議する必要が生じ、話し合いが難航しがちです。遺言書があれば、配偶者にすべての財産を渡す意思を明確にできます。 - 再婚しており、前妻(夫)との間にお子さんがいる場合
前妻(夫)のお子さんも法定相続人となるため、現配偶者や現子との間で感情的な対立が予想されます。遺言書で生活状況を考慮した分割方法を指定することで、争いを回避できます。 - 内縁関係のパートナーがいる場合
法律上、内縁関係のパートナーには相続権がありません。パートナーに財産を渡したい場合は、遺言書が必須です。 - 相続人の中に判断能力がない方(認知症、未成年者など)がいる場合
遺産分割協議に成年後見人や特別代理人の選任が必要となり、手続きが煩雑になり時間がかかります。遺言書があれば、遺産分割協議が不要となり、手続きを円滑に進められます。 - 相続人の中に行方不明の方がいる場合
相続人全員の合意が必要な遺産分割協議は行えません。遺言書があれば、協議が不要となるため、手続きを円滑に進めることができます。 - 相続人の人数が多い、または関係性が複雑な場合
多くの相続人全員の合意を得るのは困難が伴います。遺言書により遺産分割協議を回避し、手続きをスムーズにできます。 - 会社経営者や個人事業主
事業を後継者にスムーズに引き継ぐために、事業に必要な財産を遺言書で明確に指定する必要があります。 - 特定の財産を特定の人に遺したい
例えば、長年介護してくれたお子さんに多くの財産を渡したい、または特定の不動産を特定の相続人に譲りたいといった具体的な希望がある場合。遺言書がなければ、法定相続分で平等に分けるのが原則となり、希望が叶わない可能性があります。 - 法定相続人以外の人(お世話になった方、団体など)に財産を遺したい
親しい親族や友人、慈善団体など、法定相続人以外の方には遺言書がなければ財産を渡すことができません。 - 法定相続人がいない場合
家族や親戚が誰もいない場合、遺言書がなければ財産は最終的に国庫に帰属してしまいます。「○○に寄付したい」など、ご自身の意思で財産の行き先を指定するには、遺言書が不可欠です。
相続手続きの円滑化
遺言書があることで、上記の相続人調査や遺産分割協議が不要になる場合が多く、相続手続きが大幅に簡素化され、円滑に進めることができます。遺言書は、残されたご家族が故人を偲び、穏やかに手続きを進めるための「道しるべ」となるのです。
遺言の種類と手続きの概要
遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。その他に「秘密証書遺言」もありますが、実務ではあまり利用されません。
自筆証書遺言
【メリット】
- 費用がかからず、手軽に作成できる。
- 内容を誰にも知られずに作成できる。
【デメリット】
- 要件を満たさないと無効になるリスクがある。
全文、日付、氏名の自書と押印が必要です(財産目録はパソコン作成も可ですが、全ページに署名押印が必要)。 - 紛失や偽造、隠匿のリスク。
- 家庭裁判所の「検認」手続きが必要。
検認は遺言書の有効・無効を判断するものではなく、遺言書の状態を確定し、その現状を明確にする手続きです。
※法務局における遺言書保管制度
2020年7月から、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度が始まりました。この制度を利用すると、紛失・偽造のリスクが軽減され、検認も不要となります。
公正証書遺言
【メリット】
- 公証人が関与して作成するため、無効になるリスクが非常に低い。
- 原本が公証役場に保管されるため、紛失や偽造・隠匿の心配がない。
- 家庭裁判所の検認が不要なため、相続開始後の手続きがスムーズ。
- 遺言者が自分で文章を組み立てる必要がなく、自書が困難な場合でも作成可能。
【デメリット】
- 作成費用がかかる。財産の額や相続させる人数に応じて手数料が加算されます。
- 2名以上の証人の立ち会いが必要。証人には未成年者や推定相続人、受遺者などはなれません。
- 公証人や証人に内容を知られる。
遺言執行者の重要性

遺言書を作成する際には、遺言執行者を指定することが非常に重要です。遺言執行者とは、故人の意思に基づき、遺言書の内容を実現するために相続財産の管理や各種手続きを行う権利と義務を持つ人です。
特に、非嫡出子を認知する場合や、特定の相続人を廃除する場合は、遺言執行者しか手続きを行えないため、その指定が必須です。 また、それ以外のケースでも、遺言執行者がいることで以下のようなメリットがあります:
- 相続手続きを単独でスムーズに進められる。
- 相続人同士の利害対立による手続きの停滞を防ぐ。
- 不動産の名義変更や預貯金の解約なども、遺言執行者が単独で行うことが可能。
- 相続人への通知義務があり、透明性が確保される。
遺言執行者は、未成年者や破産者でなければ誰でもなることができますが、相続人の中から選任すると、他の相続人との間で不信感やトラブルが生じる可能性があります。そのため、弁護士、司法書士、行政書士、税理士といった中立的な専門家を遺言執行者に選任することをお勧めします。
遺留分への配慮
遺言書を作成する上で注意が必要なのが「遺留分」です。遺留分とは、配偶者、子(孫)、父母(祖父母)といった特定の相続人に法律上保障されている、最低限の相続割合のことです。遺言書の内容が遺留分を侵害していても遺言自体は有効ですが、遺留分を侵害された相続人は「遺留分侵害額請求」として金銭を請求することができます。
ただし、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。 遺留分に配慮した遺言書を作成することで、将来の金銭トラブルを防ぎ、より円満な相続につながります。
伊丹市周辺で相続手続きにお悩みなら行政書士にご相談ください

ここまで見てきたように、遺言書がない場合の相続手続きは非常に複雑で、時間と労力を要し、何よりもご家族の間に深刻な亀裂を生じさせるリスクを伴います。 ご自身の「最後の意思」を明確にし、残されたご家族が争うことなく、スムーズに手続きを進められるよう、遺言書を作成することは、何よりのご家族への思いやりとなるでしょう。
特に、伊丹市、尼崎市、西宮市、宝塚市、川西市といった地域にお住まいの皆様で、相続手続きや遺言書作成にお悩みでしたら、ぜひ当事務所(ことのは行政書士・社会福祉士事務所)にご相談ください。私たち行政書士は、相続人の調査から財産目録の作成、遺言書の文案作成、さらには法務局における遺言書保管制度の利用サポートなど、ご依頼者様のご状況に合わせた最適なご提案と確実な手続きをサポートいたします。
遺言書は、単なる事務手続きのための書類ではありません。 それは、ご家族への深い愛情と配慮の証です。 円満な相続を実現し、大切なご家族が「争族」で苦しむことのないよう、早めの遺言書作成をご検討ください。
専門家のサポートを受けることで、法律に則った有効な遺言書を作成し、ご自身の想いを確実に未来に繋げることができます。ぜひお気軽にお問い合わせください。






