将来に備える見守り契約・財産管理契約とは?

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「親の介護が心配」「自分にもしものことがあったら、財産はどうなるのだろう?」――誰もが一度は抱える、老後の暮らしや財産に関する不安。人生100年時代と言われる現代において、いつまでも健康でいられるとは限りません。加齢による身体機能の衰えや認知症の発症は、誰にでも起こりうる現実です。

特に、お一人暮らしの高齢者や、お子様が遠方に住んでいるご家庭では、日常生活のちょっとした変化に気づきにくく、金銭トラブルや事故に巻き込まれるリスクも高まります。また、いざという時に家族に負担をかけたくない、という思いから、不安を抱え込んでしまう方も少なくありません。

こうした不安を解消し、ご自身の「こう生きたい」という意思を尊重しながら、安心して老後を送るための有効な手段として、「見守り契約」と「財産管理契約」があります。これらの契約は、将来の生活を支え、財産を守るための大切なツールです。

本記事では、この二つの契約がどのようなものなのか、それぞれのメリット・デメリット、そしてどのように活用すればより大きな安心につながるのかを、行政書士の視点から分かりやすく解説します。

見守り契約

見守り契約とは、将来、判断能力が低下した場合に備えて、任意後見人となる予定の専門家や信頼できる人が、定期的にご本人の生活状況や判断能力の状態を確認する契約です。

見守り契約の主なメリット

  • 適切なタイミングで任意後見への移行を判断できる
    任意後見契約は、ご本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて効力が発生します。しかし、お一人暮らしの方や、ご家族が近くにいない場合、ご本人の判断能力の低下に誰も気づかず、任意後見の開始が遅れてしまう可能性があります。見守り契約があれば、定期的な連絡や訪問を通じて、適切な申し立ての時期を逃すリスクを減らすことができます。

  • 将来の任意後見人との信頼関係を築ける
    見守り契約期間中に、将来の任意後見人となる人(受任者)と定期的にコミュニケーションを取ることで、ご本人は受任者の対応や人柄をじっくりと見極めることができます。これにより、任意後見が開始された際の不安を軽減し、より安心感を持って任せられるようになります。
    過去記事:任意後見制度で備える将来への安心

  • 孤立の防止にもつながる
    定期的な外部からの接触があることで、ご本人の社会的な孤立を防ぐ一助となり、精神的な安定にも寄与します。

見守り契約の主なデメリット・注意点

  • 積極的な財産管理や法律行為はできない
    見守り契約は、あくまでご本人の状況確認が目的です。見守り契約だけでは、財産の管理や、医療・介護に関する契約の締結などの法律行為を行うことはできません。

  • 専門家に依頼する場合は費用がかかる
    専門家に見守りを依頼する場合には、月額の報酬が発生するのが一般的です。
    当事務所の料金目安はこちら

日常の「困った」を解決:財産管理契約とは?

財産管理

財産管理契約は、ご本人が元気なうちに、ご自身の財産管理や日常生活に必要な事務手続きを、信頼できる人(受任者)に任せる契約です。

財産管理契約の主なメリット

  • ご本人の判断能力があるうちから利用を開始できる
    これが任意後見契約との大きな違いです。例えば、加齢による身体的な不調で銀行に行くのが大変になったり、複雑な手続きが負担になったりした場合でも、判断能力が低下していなくてもすぐに財産管理を任せることができます。

  • 委任する内容や開始時期を自由に決められる
    預貯金の管理、公共料金の支払い、不動産の管理、賃貸物件の管理、介護サービスの選定・契約など、ご自身のニーズに合わせて細かく委任内容を定めることができます。また、「契約後すぐに開始」「〇歳になったら開始」など、開始時期も柔軟に設定可能です。

  • 煩雑な手続きの手間を省ける
    代理人が銀行などで手続きを行う際に、都度、委任状を用意する必要がなくなります。

  • 任意後見契約と組み合わせることで隙間のないサポートを実現
    財産管理契約は、任意後見契約が効力を発するまでの期間(ご本人が元気だが、サポートが必要な段階)をカバーします。このように、二つの契約を併用することで、ご本人の判断能力の維持・低下に関わらず、継続的なサポート体制を構築することができます(移行型任意後見契約)。法務省の統計でも、任意後見契約の多くがこの移行型で締結されています。

財産管理契約の主なデメリット・注意点

  • 契約の取消権がない
    法定後見制度とは異なり、財産管理契約の受任者には、ご本人が自ら締結した契約(例:詐欺被害による高額商品の購入など)を取り消す権限がありません。不当な契約からご本人を守るには、受任者がご本人を説得して取り消し権を行使させる必要がありますが、ご本人の判断能力が低下していると難しい場合があります。

  • 公的な監督機関がないため不正のリスクがある
    任意後見契約には家庭裁判所が選任する任意後見監督人が、任意後見人の業務を監督し、不正を防ぐ機能があります。しかし、財産管理契約には、このような法的な監督人が存在しないため、受任者による使い込みや横領といった不正のリスクが懸念されます。
    あなたが信用できると思う人に委任しましょう。

  • 金融機関によっては代理手続きを認めない場合がある
    財産管理委任契約は、その運用が社会的にまだ十分に普及しているとは言えません。そのため、金融機関によっては、委任契約書を提示しても預貯金の引き出しなどの手続きを代理で受け付けてもらえないケースがあります。最初の取引はご本人同伴が求められる場合もあります。

  • 死後の事務はカバーできない
    財産管理契約はご本人の生前の財産管理を目的としているため、葬儀や医療費の清算、遺品整理といった死後の事務手続きには対応できません。死後の事務に備えるには、別途「死後事務委任契約」の締結が必要です。

なぜ専門家(行政書士など)に依頼すべきなのか

見守り契約や財産管理契約は、ご自身の将来や大切な財産に関わる非常に重要な契約です。これらの契約を適切に活用し、最大の効果を得るためには、法律の専門知識と経験が不可欠です。

  • ご本人の意思を正確に反映した契約書作成
    契約内容は、ご本人の状況や希望に応じて柔軟に定めることができますが、その分、あいまいな表現や法的に不備のある内容では、将来的なトラブルの原因となりかねません。行政書士は、ご本人の意思を丁寧にヒアリングし、それを法的に有効な形で契約書に落とし込むことができます。

  • デメリットへの対策とリスクの軽減
    財産管理契約における不正のリスクや、金融機関での対応の課題など、デメリットを理解した上で、それを軽減するための対策(例:公正証書での作成推奨、定期的な報告義務の設定)を提案し、実行をサポートします。

  • 他の関連制度との連携
    見守り契約や財産管理契約は、任意後見契約、遺言書、死後事務委任契約、家族信託など、他の生前対策と連携させることで、より包括的な安心を築くことができます。どの制度がご自身の状況に最も適しているか、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、最適なプランをご提案いたします。

  • 公正証書作成のサポート
    任意後見契約は公正証書での作成が必須であり、財産管理契約も公正証書で作成することで、契約の有効性や証明力が格段に高まります。行政書士は、公証役場での手続きを円滑に進めるための準備や、公証人との打ち合わせをサポートいたします.

伊丹市周辺の皆様へ:お気軽にご相談ください

見守り_財産管理_相談

見守り契約や財産管理契約は、ご自身の、そして大切なご家族の将来を支えるための第一歩です。複雑に感じるかもしれませんが、適切な知識と専門家のサポートがあれば、安心して準備を進めることができます。

当事務所(ことのは行政書士・社会福祉士事務所)では、お客様一人ひとりの状況に寄り添い、最適な生前対策を提案いたします。伊丹市、尼崎市、西宮市、宝塚市、川西市といった伊丹市周辺にお住まいの方々も、どうぞお気軽にご相談ください。無料相談も承っておりますので、まずは、あなたの不安やお悩みをお聞かせください。

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