親亡き後の希望を諦めない!障がいのある子の未来を拓く「成年後見制度利用支援事業」という光
障がいのあるお子さんを持つ親御さんやご家族にとって、「もし自分に何かあったら、この子はこれからどうなるのだろう?」という「親なき後問題」「なき後問題」は、尽きることのない大きな不安の種ではないでしょうか。お子さんが安心して自立した生活を送り、尊厳を保って暮らしていくためには、どのような準備が必要なのか。特に金銭面での心配は、多くの方が抱える切実な問題です。
「成年後見制度」という言葉は知っていても、「手続きが難しそう」「費用が高額なのでは」と感じ、一歩踏み出せずにいる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心ください。国や地方自治体は、経済的な理由で成年後見制度の利用を諦めることがないよう、強力な支援策を用意しています。それが、まさに今回ご紹介したい「成年後見制度利用支援事業」です。
伊丹市、尼崎市、西宮市、宝塚市、川西市といった阪神間にお住まいの親御さんにも、この制度の存在をぜひ知っていただき、障がいのあるお子さんやご兄弟の明るい未来を、私たち行政書士と共に具体的に描くきっかけとしていただければ幸いです。
「親亡き後問題」とは?心に重くのしかかる不安

「親亡き後問題」とは、主に障がいのあるお子さんを持つ親御さんやご家族が、ご自身が亡くなった後や、病気・高齢により介護や支援ができなくなった後に、お子さんの生活がどうなるかという不安を指します。具体的には、以下のような心配事が挙げられます。
- 生活支援の継続
日常生活に必要なサポートを誰がしてくれるのか。 - 金銭管理と生活費
預貯金や年金の管理、日々の生活費の工面はどうするのか。 - 医療・介護の確保
適切な医療や介護サービスを受けられるのか。 - 住まいの確保
安心して暮らせる場所を見つけられるのか。 - 手続きの代行
さまざまな契約や行政手続きを誰が担うのか。
これらの問題に対し、お子さんの権利を守り、法的に支援するための重要な制度が成年後見制度です。
障がいのある子を法的に守る「法定後見制度」
成年後見制度には、大きく分けて「法定後見制度」と「任意後見制度」の二種類があります。親御さんが考える「親亡き後問題」の解決策として特に重要になるのが、法定後見制度です。
法定後見制度は、精神上の障害により既に判断能力が不十分な方のために、家庭裁判所が「成年後見人等」を選任し、その方が本人を法律的に支援する制度です。本人の判断能力の程度に応じて、以下の3つの類型があります。
- 後見: 判断能力がほとんどないのが通常の状態の方。
- 保佐: 判断能力が著しく不十分な方。
- 補助: 判断能力が不十分な方。
成年後見人等は、本人の財産管理(預貯金の管理、不動産の処分など)や、生活・療養看護に関する事務(介護サービスや医療に関する契約など)を本人に代わって行います。これにより、本人が詐欺被害に遭うリスクを防いだり、不利益な契約を取り消したりする権限も与えられ、本人の権利が法的に保護されます。
しかし、この制度の利用には、手続きにかかる費用や、成年後見人等への報酬といった経済的な負担が伴うため、利用を躊躇する方が少なくありません。
金銭的な不安は過去のものに!「成年後見制度利用支援事業」の活用

法定後見制度の利用をためらう主な理由の一つが「費用」です。確かに、成年後見制度を利用するには、以下のような費用が発生します。
- 申立費用
家庭裁判所への収入印紙代(3,400円)、郵便切手代(4,000円~5,000円程度)、診断書作成料(数千円程度)、そして鑑定が必要な場合は10万円程度の鑑定費用。
※申立てはご自身で行うほかにも、弁護士や司法書士に申立手続きを依頼する方法もあります。申立手続を弁護士や司法書士に依頼する場合、資力等の一定の要件を満たせば、法テラスの民事法律扶助制度(注1)を利用できる場合があります 。
- 成年後見人等の報酬
家庭裁判所が事案ごとに決定し、専門家が選任された場合は資産に応じて月額2万円前後~5万円程度が目安となります。特に障がいのあるお子さんの場合、成年後見が長期にわたるため、この報酬が数百万円に及ぶ可能性もあります。
この金銭的な負担を軽減し、誰もが安心して成年後見制度を利用できるようにするために、国が創設したのが「成年後見制度利用支援事業」です。これは、市町村が実施を義務付けられている必須事業であり、経済的な理由で制度利用が困難な方に対して、費用の全部または一部を助成するものです。
引用:法テラスHP
どんな費用が助成の対象になるの?
この支援事業で助成される費用は、主に以下の2つです。
- 申立費用
成年後見等の開始の申立てにかかる費用(収入印紙代、登記手数料、郵便切手代、診断書作成料、鑑定費用など)。 - 成年後見人等への報酬
成年後見人、保佐人、補助人、およびそれらを監督する成年後見監督人、保佐監督人、補助監督人への報酬。
助成の対象となるのはどんな人?
主な対象者は、以下のような項目に該当する方です。
※自治体により要件は異なりますので、詳細はお住まいの市町村役場にて問い合わせる必要があります。
- 生活保護法に規定する被保護者。
- 報酬補助金の交付を受ければ生活保護を必要としない状態になる者。
- 上記に準ずる者として市町村長が認める者。
つまり、低所得の方々が、この制度を利用することで金銭的な心配をせずに法定後見制度を活用できるようになっているのです。親族が成年後見人等になる場合でも、この報酬助成の対象となる可能性があるため、お住まいの市町村に確認することが重要です。
伊丹市での報酬助成の目安
多くの自治体では報酬補助金に上限が設けられています。
例えば、伊丹市の場合は以下のようになっております。
- 在宅者: 月額28,000円まで。
- 施設入所者: 月額18,000円まで。
地域の専門家である行政書士・社会福祉士が伴走します
「成年後見制度利用支援事業」は、各市町村で具体的な内容が多少異なる場合があります。そのため、ご自身がどの程度の助成を受けられるのか、どのような要件を満たす必要があるのかを正確に把握するには、専門家への相談が不可欠です。
当事務所では、こうした複雑な制度の理解を助け、必要な手続きを円滑に進めるためのサポートを提供します。
- 情報提供と相談
成年後見制度の全体像や、この支援事業の詳しい内容をご説明し、ご家族の状況に合わせた最適なプランを一緒に考えます。 - 申立書類の作成支援、助成金の申請手続き:司法書士等に支援を依頼します。
伊丹市、尼崎市、西宮市、宝塚市、川西市周辺にお住まいの親御さんも、ぜひお近くの行政書士などの専門家にご相談ください。金銭的な不安を理由に、お子さんの将来の選択肢を狭める必要はありません。
未来への一歩を踏み出す勇気を

障がいのあるお子さんの「親亡き後問題」は、深く考えるほどに心細さを感じるかもしれません。しかし、成年後見制度とその利用を強力に支援する公的プログラムは、その不安を安心に変えるための確かな手立てです。
「成年後見制度利用支援事業」は、金銭的なハードルを越え、お子さんが法定後見制度による保護を受けながら、尊厳をもって地域社会で自分らしく生きていくための道を拓きます。
漠然とした心配を具体的な行動に変える最初のステップを、当事務所が全力でサポートいたします。未来への希望を胸に、どうぞお気軽にご相談ください。



