【伊丹周辺】障がいを持つご家族の「親亡き後」を安心に!死後事務委任契約のメリットと注意点
知的障がいや精神障がいを持つお子さんやご兄弟がいらっしゃるご家族にとって、「なき後」の問題は深い不安の種となることでしょう。親御さんや兄弟姉妹が亡くなったり、身体能力や判断能力が低下したりした場合に、障がいを持つご家族の生活を誰が、どのようにサポートしていくのか、財産管理はどうするのかといった懸念は尽きません。
伊丹市周辺(伊丹・尼崎・西宮・宝塚・川西)にお住まいの皆さまも、この問題に直面されているかもしれません。今回は、このような「なき後」の不安を軽減し、ご本人らしい尊厳ある生活を継続していくための有効な手段の一つとして注目されている「死後事務委任契約」について、行政書士の立場からそのメリットと注意点を詳しく解説します。
「死後事務委任契約」とは?遺言書だけではカバーできない死後の手続き

「死後事務委任契約」とは、ご自身の死後に発生する様々な事務手続きを、生前に信頼できる第三者に依頼する契約のことです。通常の委任契約は委任者の死亡によって効力が終了しますが、死後事務委任契約は委任者の死後に効力を発揮するという特殊性があります。
よく「遺言書があれば安心」と思われがちですが、遺言書で指定できるのは主に「遺産の分配方法」であり、「死後の事務手続き」そのものを直接委任することはできません。例えば、葬儀の手配や医療費の精算、公共料金の解約、遺品整理など、死後すぐに発生する事務は遺言書では法的な強制力を持って依頼することが難しいのです。 また、任意後見契約なども本人の死亡と同時に終了するため、死後の事務はカバーできません。それを埋めるのが死後事務委任契約の役割です。
障がいを持つご家族のために「死後事務委任契約」を検討すべき理由
障がいを持つご家族がいらっしゃる場合、死後事務委任契約は特に以下のような点で大きなメリットをもたらします。
「親亡き後問題」への備えとなる
親御さんや兄弟姉妹が亡くなった後、障がいを持つご本人が、ご自身の死後事務を円滑に進めることは非常に困難です。日常的な生活支援とは異なり、葬儀や行政手続きといった複雑な事務は、精神的・身体的な負担が大きく、適切な判断が難しい場合があります。死後事務委任契約を締結しておくことで、ご家族の負担を軽減し、またご本人に代わってこれらの手続きを確実に実行してもらうことができます。
ご自身の希望を確実に実現できる
「自分の葬儀はこうしてほしい」「お墓に関してはこうしてほしい」「遺品はこう処分してほしい」といった故人の希望は、遺言書に記載しても法的な拘束力が弱く、実現されない可能性があります。死後事務委任契約は「契約」であるため、受任者は契約内容を履行する義務を負い、ご自身の希望を確実かつ迅速に実現することが期待できます。
包括的な支援体制の構築に貢献する
死後事務委任契約は、単独で利用するだけでなく、任意後見契約や見守り契約、財産管理委任契約などと組み合わせて利用することで、生前から死後まで「切れ目のない」支援体制を構築することができます。 例えば、見守り契約で定期的に安否や体調を確認し、判断能力の低下を察知して任意後見契約へ移行し、そして死後は死後事務委任契約で手続きを委任するというように、多層的なサポートが可能です。
死後事務委任契約で委任できる具体的な事務内容
死後事務委任契約で委任できる内容は多岐にわたります。以下はよくある委任内容です。
- 病院等の退院手続きと精算、生前の未払い債務(医療費など)の支払い
- 葬儀・火葬・埋葬・納骨に関する手続きと費用の支払い
- 行政機関への各種届出(健康保険、運転免許証等の返却など)
- 賃貸住宅の解約、遺品整理、物件の引き渡しまでの処理
- 公共料金、住民税等の支払手続き
- クレジットカード、電子決済サービス等の精算・解約手続き
- SNS等インターネットサービスの死亡告知・残置・消去・解約等の手続き
これらの事務は、ご本人の希望に合わせて、一部のみを委任することも、上記以外の内容を盛り込むことも可能です。
内容はオーダーメイドです。あなたが望む事を自由に検討していくことが出来ます。
死後事務委任契約の注意点

多くのメリットがある死後事務委任契約ですが、利用にあたっては以下の点に注意が必要です。
相続に関する事項は委任できない
死後事務委任契約は「事務手続き」を委任するものであり、財産の相続や遺産の分配方法を定めることはできません。これには別途遺言書の作成が必要です。障がいを持つご家族への財産分与を明確にするためにも、遺言書と死後事務委任契約は併用を強くお勧めします。
生前の生活支援は対象外
死後事務委任契約は、ご本人の死後に効力を発揮する契約です。ご本人が生きている間の介護や見守り、日常的な金銭管理といった「生活支援」を委任することはできません。生前の支援が必要な場合は、任意後見契約や財産管理委任契約、日常生活自立支援事業などを検討する必要があります。
費用の負担と明確化
死後事務委任契約には、受任者への報酬と、実際に発生する手続き費用(葬儀費用、遺品整理費用など)がかかります。これらの費用負担について、契約時に明確に取り決めておくことが重要です。遺産から支払う方法や、事前に預託しておく方法があります。
依頼先や内容によっては100万円を越える費用がかかることもあるでしょう。
受任者の選定と信頼性
ご自身の死後に事務が確実に実行されるかを確認できないため、信頼できる相手を受任者に選ぶことが非常に重要です。知人や友人を選ぶことも可能ですが、長期にわたる責任ある役割であるため、専門家への依頼がより確実と言えるでしょう。
契約締結時の判断能力
死後事務委任契約は、ご本人の判断能力が十分なうちに行う必要があります。認知症などで判断能力が低下してしまうと、契約を締結することが難しくなりますので、元気なうちからの早期の準備が肝心です。
「いつか」ではなく今から準備しておくことが大切です。
公正証書での作成推奨
契約の確実性を高め、後のトラブルを避けるためにも、死後事務委任契約は公正証書で作成することが強く推奨されます。公正証書は公証人が作成する公文書であり、高い証明力があります。公正証書作成には、公証役場の手数料や法務局への登記嘱託料などの費用が発生します。
行政書士などの専門家への依頼を
障がいを持つご家族の「なき後」の問題は、多岐にわたる法制度や手続きが複雑に絡み合い、ご家族だけで解決するには大きな負担が伴います。特に死後事務委任契約は、個々の状況に応じたきめ細やかな契約内容の設計や、他の生前対策(遺言書、任意後見契約、財産管理委任契約など)との組み合わせが重要となります。
私たち行政書士は、これらの契約書の作成支援を通じて、ご依頼者様の「なき後」の不安解消をサポートすることができます。 伊丹・尼崎・西宮・宝塚・川西といった地域で、もし「なき後」の備えや死後事務委任契約についてご検討されているのであれば、ぜひ一度、行政書士などの法律専門家にご相談ください。ご家族の状況に合わせた最適なプランを共に考え、安心できる未来への第一歩を支援させていただきます。
まとめ

- 死後事務委任契約は、障がいを持つご家族の「親亡き後」の不安を解消し、ご自身の希望を確実に実現するための重要な手段です。
- 葬儀・火葬、医療費等の清算、遺品整理、行政手続きなど、死後に発生する多様な事務を委任できます。
- 遺言書だけではカバーできない死後の事務手続きを補完し、任意後見契約などと組み合わせることで包括的な支援体制が構築可能です。
- 契約の確実性を高めるため、公正証書での作成が強く推奨されます。
- 判断能力が十分なうちの早期の準備と、信頼できる行政書士などの専門家への相談が、ご家族の安心につながります。
障がいを持つご家族との未来のために、ぜひこの機会に死後事務委任契約について深くご検討ください。



