「損」じゃない!障害者扶養共済制度が親にもたらす「本当の安心」とは?~伊丹・尼崎・西宮・宝塚・川西エリアの皆様へ~
障害のあるお子さんを持つ親御さんやご家族にとって、「自分が亡くなった後、この子は一人で生活していけるのだろうか?」という不安は尽きないものです。これは「親なき後問題」「なき後問題」と呼ばれ、多くのご家庭が抱える深刻な課題です。金銭的な心配だけでなく、日々の生活を誰がサポートしてくれるのか、という漠然とした不安が、親御さんやご家族の心に重くのしかかっているのではないでしょうか。
今日の記事では、この「なき後問題」の金銭面を支える重要な公的制度の一つ「障害者扶養共済制度」について、単なるメリット・デメリットの羅列にとどまらない、親御さんの「心の平穏」に焦点を当てた視点で深掘りしていきます。デメリットも大きいように感じるこの制度が、いかにしてお金だけでは測れない「真の安心」をもたらすのか、一緒に考えていきましょう。
障害者扶養共済制度とは?~制度の「核心」を理解する~

障害者扶養共済制度は、都道府県や政令指定都市が実施している、障害のあるお子さんとその親御さん(扶養者)のための公的な保険制度です。この制度の目的は、障害のある方を扶養する親御さんに万が一のことがあった際に、障害のある方の生活の安定と福祉の増進を図り、親亡き後も安心した生活を送れるよう支援することにあります。
具体的には、親御さん(扶養者)が毎月一定の掛け金を納めることで、親御さんの死亡や重度障害が発生した場合に、障害のあるお子さんが終身にわたって年金を受け取れる仕組みです。障害のあるお子さんの多くは、障害年金だけでは生活費を賄うことが難しい現状があり、この制度はそうした金銭的な不安を軽減する大きな支えとなります。
誰が、そして誰のために?~加入要件の「扉」~
この制度に加入するには、親御さん(扶養者)とお子さん(被扶養者)それぞれに要件があります。
親(保護者)の加入要件
親御さんは、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 障害のある方を扶養している保護者であること(所得は関係なく、無職でも申し込み可能)。
- 加入時の年齢が満65歳未満であること。
- 特別な疾病や障害がなく、健康状態が良好であること。
- 障害者1人につき、加入できる保護者は1人のみであること。ただし、一人の保護者が複数の障害のあるお子さんに対して加入することは可能です。
子(被扶養者)の加入要件
お子さんは、将来的に独立して自活することが困難であると認められ、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 知的障害がある方(療育手帳の所持)
- 身体障害者手帳を所持し、1級~3級に該当する方
- 精神または身体に永続的な障害があり、その障害の程度が上記と同等と認められる方(例:統合失調症、脳性まひ、自閉症など)
なお、障害のあるお子さんには年齢制限がなく、加入後に障害の状態が改善し対象範囲でなくなったとしても、そのまま継続して加入できる場合があります。
金銭だけでは測れない「真のメリット」

この制度が提供するメリットは、単なる金銭的な数字に留まりません。親御さんの「心の平穏」を築くための、「最後の愛情」を形にする手段としての価値があります。
- 子どもへの終身年金
親御さんに万が一のことがあった場合、お子さんは毎月2万円または4万円の年金を終身にわたり受け取ることができます。これは、障害基礎年金だけでは不足しがちなグループホームの家賃や食費、水道光熱費などの生活費を補填し、お子さんが地域で安定した生活を送るための基盤となります。障害年金等や生活保護のお金だけでは、生活がギリギリで好きなことにお金が使えないといった時にも、このお金があれば楽しみを持って生活を送ることも可能になるでしょう。 - 親御さんの税制優遇
親御さんが支払う掛け金は全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。特に現役世代で所得が高い親御さんにとっては、民間の生命保険よりも高い節税効果が期待できる場合があります。 - お子さんの年金は非課税
お子さんが受け取る年金は、所得税や住民税の対象外です。これにより、お子さんの手元に残る金額が減る心配がありません。 - 生活保護の収入認定対象外
万が一、お子さんが生活保護を受給することになった場合でも、この年金は収入として認定されないため、生活保護費+αとして強力な役割を果たします。
これらのメリットは、単に「お金が増える」ということ以上の意味を持ちます。それは、親御さんが抱く「子どもが困らないように」という切実な願いを、具体的な形で実現する「安心の設計図」となるからです。
知っておきたい「見えざるコスト」と「覚悟」

どんな制度にも、メリットと引き換えに考慮すべき点があります。この制度の「見えざるコスト」を理解することは、後悔のない選択をするための「覚悟」を育むことにも繋がります。
- 実質的な掛け捨てに近い性質
途中で解約した場合、支払った掛け金のほとんどは払い戻されません。また、掛け金の納付免除要件(65歳到達かつ加入から20年経過)を満たした場合でも、年金受給総額が支払った掛け金総額を下回る可能性があります。しかし、この「元本割れのリスク」は、お子さんが親亡き後も尊厳を保ち、安心して生活できるための「保険料」と捉えることができます。純粋な金銭的リターンではなく、お子さんの所得保障という目的が達成されることに価値を見出すという考え方が重要ではないでしょうか。 - 掛け金引き上げのリスク
掛け金は、過去に大幅に引き上げられた事例もあり、将来的に増額される可能性があります。制度の継続のために必要な措置ですが、長期的な支払い計画に影響を与えることを認識しておくべきでしょう。 - 特定の事由による不支給
親御さんの自殺(加入後1年以内)、お子さんの故意による傷害、親御さんの犯罪行為、加入前の疾病・災害による重度障害化、お子さんが親御さんより先に亡くなった場合など、特定の事由に該当すると年金が支給されないケースがあります。
これらのデメリットを「損」と捉えるのではなく、「親としての最後の責任と愛情を、公的な制度を通じて形にするための費用」という視点で理解することが、この制度の真価を見極める上で不可欠です。
以下の表は「兵庫県心身障害者扶養共済制度」の月額の掛け金を表にしたものです。(伊丹市HPより引用)
加入者(保護者)の年齢によって支払額が異なります。

地域住民の皆様へ~伊丹・尼崎・西宮・宝塚・川西エリアでの活用~
伊丹市、尼崎市、西宮市、宝塚市、川西市といった兵庫県内にお住まいの皆様にとって、この制度は身近な地域で利用できるものです。障害者扶養共済制度は都道府県や指定都市が実施主体となっていますので、詳細な情報や申請手続きについては、お住まいの市町村役場または兵庫県庁の福祉担当窓口に直接お問い合わせいただくか市町村のホームページで確認されますことをお勧めします。
将来設計は「多角的」に~当事務所からのご提案~

障害者扶養共済制度は、親亡き後のお子さんの金銭的な基盤を築く上で非常に強力なツールです。しかし、「親亡き後問題」を解決するためには、これ一つの制度だけでは十分ではない場合もあります。親御さんの願いを包括的に実現するためには、複数の制度を組み合わせた多角的なアプローチが有効です。
当事務所では、障害者扶養共済制度でカバーしきれない部分を補完するための、以下の将来設計についてもご相談を承っております。
遺言(公正証書遺言など)
親御さんの財産を誰にどのように残すかを明確にすることで、遺産分割協議が不要になり、判断能力が不十分な相続人がいても手続きが円滑に進みます。これにより、成年後見人選任の必要性を回避できることもあります。
任意後見契約
親御さんの判断能力が低下した場合に備え、ご自身が元気なうちに、信頼できる人を後見人として選び、財産管理や生活・療養看護に関する事務を委任する制度です。親御さん自身を委任者として、親御さんの財産からお子さんの生活費を定期的に支出する条項を盛り込むことも可能です。
死後事務委任契約
遺言ではカバーできない親御さんの死亡後の事務手続き(葬儀、火葬、埋葬の手配、遺品整理、各種契約の解約など)を、生前に信頼できる人に委任する契約です。これにより、親御さんのご遺志に沿った形で死後の手続きがスムーズに進められます。
まとめ

これらの制度は、それぞれ異なる目的を達成するためのものであり、組み合わせることで、生前から親亡き後に至るまで、お子さんを継続的に、そして柔軟に支援できる体制を構築できます。
親御さんが元気なうちに「もしも」の備えをすることは、お子さんへの何よりの贈り物となるでしょう。将来の不安を安心に変えるための一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか。
ご家族の状況に合わせた最適な将来設計について、ご不明な点やご不安なことがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。



