あなたの「最後の想い」を確実に未来へ繋ぐために
伊丹市周辺(伊丹・尼崎・西宮・宝塚・川西)にお住まいの皆さまへ
独り身でいらっしゃる方の中には、「もしもの時、自分の財産はどうなるのだろう?」「誰が死後の手続きをしてくれるのだろう?」と、漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ご自身の「最後のメッセージ」を大切なご家族や親しい方に伝えることは、とても重要です。
実は、遺言書は、ご自身の財産を有効に活用してもらい、相続をめぐる争いを防止する目的で行う意思表示です。特に独り身の方にとって、遺言書を作成しておくことは、ご自身の意思を明確にし、死後の手続きを円滑に進める上で非常に大きな意味を持ちます。今回は、独り身の方が遺言書を作成するメリットや注意点、そして誰が死後の相続手続きを担うのかについて、分かりやすく解説いたします。
独り身の方が遺言書を作成するメリット
独り身の方が遺言書を作成する主なメリットは以下の通りです。
- 財産を希望通りに遺せる
遺言書がない場合、故人の財産は民法で定められた法定相続人に、法定相続分に従って引き継がれます。法定相続人とは、常に相続人となる配偶者のほか、子、父母(直系尊属)、兄弟姉妹の順で優先順位が定められています。独り身の方で、配偶者や子がいない場合、ご両親がご存命であればご両親が、ご両親も既に他界していれば、ご自身の兄弟姉妹が相続人となります。さらに、兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は、その子である甥や姪が代襲相続人として相続権を持ちます。
しかし、もしこれらの法定相続人が誰もおらず、遺言書も残されていない場合は、残された財産は最終的に国のもの(国庫帰属)になってしまいます。
遺言書を作成することで、例えば以下のような方に財産を遺すことが可能になります
- 【内縁の配偶者】:法律上の婚姻関係がない内縁の配偶者は、遺言書がなければ財産を受け取る権利がありません。
- 【親しい友人や知人】:お世話になった方へ感謝の気持ちを示すことができます。
- 【特定の団体やNPO法人】:社会貢献や特定の活動支援のために寄付することができます。
- 【配偶者の連れ子(養子縁組をしていない場合)】:養子縁組をしていなければ相続権がないため、遺言書での指定が必要です。
- 【既に亡くなった兄弟姉妹の子(甥・姪)】:兄弟姉妹の子が代襲相続人になるケースもありますが、遺言で明確に指定することも可能です。
遺言書がなければ、たとえ生前に親しい関係を築いていたとしても、法定相続人以外の方が財産を受け取ることはできません。また、法定相続人がいない場合に、お世話になった人が「特別縁故者」として財産分与を申し立てる制度もありますが、これは必ず認められるわけではなく、手続きに時間と手間がかかります。遺言書であれば、ご自身の明確な意思表示として、確実に財産を希望する相手に遺すことができます。
相続争いを未然に防止できる
「うちには大した財産がないから」「家族はみんな仲が良いから」と考えて、遺言書を作成しない方もいらっしゃいますが、実際には相続をめぐる親族間の争いは少なくありません。遺産分割協議では、相続人全員の合意が必要となるため、一人でも反対する人がいると手続きが滞ってしまいます。独り身の場合でも、兄弟姉妹や甥姪など複数の相続人がいるケースは多々あります。連絡が取りにくい、疎遠である、あるいは介護への貢献度などで感情的な対立が生じることもあります。このような状況で遺言書がないと、遺産分割協議が難航し、手続きが何ヶ月、何年とストップしてしまう可能性があります。
遺言書があれば、「誰に何をどれだけ相続させるか」を明確に指定できるため、相続人全員での遺産分割協議が原則として不要となり、争いを未然に防ぐことができます。
- 死後の手続きを円滑に進められる
遺言書がない場合、不動産の名義変更や預貯金の解約・払い戻しなど、基本的に全ての相続手続きには相続人全員の同意と署名・押印、そして印鑑証明書の添付が必要になります。相続人が遠方に住んでいたり、連絡が取れない、認知症などで判断能力がないといった場合には、これらの手続きが非常に困難になります。
そこで重要な役割を果たすのが遺言執行者の存在です。遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権限を持つ人のことです。遺言書で遺言執行者を指定しておけば、その者が単独で預貯金の解約や不動産の名義変更などの手続きを進めることができるため、相続人全員の同意を得る手間が省け、手続きが格段にスムーズになります。
遺言執行者は、未成年者や破産者でなければ誰でもなることができ、相続人や親族を指定することも可能ですが、手続きの複雑さや中立性を考慮すると、行政書士、弁護士や司法書士などの専門家を指定することをおすすめします。
遺言書を作成する際の注意点

遺言書は、ご自身の意思を確実に反映させるための重要な手段ですが、作成方法によっては問題が生じる可能性もあります。
- 形式不備による無効リスク
特に「自筆証書遺言」は、手軽に作成できる反面、民法で定められた厳格な要件(全文の自書、日付、氏名の自書、押印)無効となってしまいます。実際に、自己流で書かれた遺言書の多くは、形式不備や内容の不明瞭さから相続手続きに使えないケースが散見されます。例えば、不動産の特定が住所だけだったり、預金口座が正確でなかったりすると、手続きができません。
参考記事:自筆証書遺言とは?メリット・デメリット、トラブル事例と保管制度を解説 発見・改ざん・紛失のリスク
自筆証書遺言は、遺言者本人が保管することが原則のため、亡くなった後に遺言書が見つからなかったり、第三者によって改ざんされたり、破棄されたりするリスクがあります。- 検認手続きの必要性
自筆証書遺言は、相続開始後、家庭裁判所での「検認」手続きが必要です。この手続きは、遺言書の有効・無効を判断するものではなく、遺言書の状態を確定し、その現状を明確にするためのものです。しかし、この手続きには時間と手間がかかります。
- 遺留分への配慮
遺言書は法定相続より優先されますが、特定の法定相続人(配偶者、子、父母)には「遺留分」という最低限の相続分が保証されています。遺言書で遺留分を侵害する内容を定めた場合でも、その部分が無効になるわけではありませんが、遺留分権利者から金銭の請求(遺留分侵害額請求)を受ける可能性があります。なお、兄弟姉妹やその子(甥・姪)には遺留分が認められていません。
参考記事:遺言書作成の際に気をつけたい「遺留分」について
確実な遺言書作成のために専門家への依頼を

上記のようなメリット・デメリットや注意点を踏まえると、ご自身の最後の意思を確実に実現するためには、専門家のアドバイスを受けながら遺言書を作成することが強く推奨されます。
- 公正証書遺言の活用
遺言書の中でも最も安全で確実とされているのが公正証書遺言です。
参考記事:公正証書遺言とは?作成手順とメリット・デメリット
- 公証人が関与:法律の専門家である公証人が遺言者の意思を聞き取り、法的に有効な文書を作成するため、形式不備による無効リスクが極めて低い**です。
- 原本保管:作成された遺言書の原本は公証役場に厳重に保管されるため、紛失、偽造、改ざんのリスクがありません。
- 検認不要:相続開始後の家庭裁判所での検認手続きが不要なため、相続手続きを迅速に進められます。
- 手書き不要:遺言者が内容を口述し、公証人が筆記するため、手が不自由な方でも作成可能です。
- 費用と時間:公正証書遺言の作成には、遺産額や受遺者の人数に応じた手数料(数万円から十数万円程度)がかかります。また、公証役場との事前相談や必要書類の準備のため、作成までに数週間から数ヶ月の期間を要します。
2.自筆証書遺言保管制度の活用
2020年7月から始まった「自筆証書遺言保管制度」は、ご自身で作成した自筆証書遺言を法務局に預けることができる制度です。
参考記事:「自筆証書遺言保管制度」とは?利用メリットと注意点
- 紛失・改ざん防止:法務局に保管されるため、自宅での紛失や改ざんのリスクを避けられます。
- 検認不要:保管制度を利用した遺言書は、家庭裁判所の検認が不要になります。
- 手数料:手数料は3,900円と、公正証書遺言より安価です。
ただし、この制度は遺言書の内容について法務局が審査するわけではなく、あくまで形式的なチェックのみです。そのため、内容の不明瞭さや法的な有効性については、やはり専門家のアドバイスが必要不可欠です。
- 専門家への依頼
遺言書の作成を検討する際には、行政書士、弁護士、司法書士、税理士といった専門家に相談されることをお勧めします。
“ことのは行政書士・社会福祉士事務所”では遺言書の作成支援(自筆証書遺言の形式チェックや公正証書遺言の原案作成)を通じて、ご自身の意思が法的に有効な形で表現されるようサポートいたします。伊丹市、尼崎市、西宮市、宝塚市、川西市といった地域にお住まいの方々のご相談も承っております。
特に独り身の方にとって、遺言執行者として専門家を指定しておくことは、ご自身の死後の手続きを確実に、そして円滑に進める上で非常に有効な手段です。専門家は中立的な立場で、遺言内容の実現に尽力し、相続人への通知や財産目録の作成、各種名義変更など、煩雑な手続きを代行します。これにより、ご自身が亡くなった後に残された方々に負担をかけることなく、ご自身の意思が尊重されることになります。
まとめ

遺言書は、「まだ早い」「大した財産がないから必要ない」と考えられがちですが、特に独り身の方にとっては、ご自身の「最後の想い」を確実に未来へ繋ぎ、残された方々が困らないようにするための大切な手段です。財産を希望通りに遺し、相続争いを防ぎ、死後の手続きを円滑に進めるためにも、遺言書の作成を強くお勧めいたします。
いつ何が起こるか分からないのが人生です。認知症などで判断能力が低下してしまうと、有効な遺言書を作成することが難しくなります。元気なうちに、ご自身の意思を形にすることが何よりも大切です。
伊丹市、尼崎市、西宮市、宝塚市、川西市周辺で遺言書作成にご興味をお持ちの方、ご自身のケースでどのような遺言書が必要か、誰に死後の手続きを任せれば良いのかなど、ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所(ことのは行政書士・社会福祉士事務所)へご相談ください。お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。


